2010.11.09 公営企業委員会
〇尾崎委員

私からは、多摩地区の水道事業について何点かお伺いをしたいと思います。
今回の多摩水道改革計画、これについてちょっとお伺いしたいんですけれども、水道局では平成十五年度に策定をした多摩地区水道経営改善基本計画、これに基づいて多摩の市町への水道業務を順次廃止をしてきました。
まず改めて、これまでの事務委託解消の進捗状況についてお伺いをいたします。

〇松苗調整部長

当局では、平成十五年六月に多摩地区水道経営改善基本計画を策定いたしまして、広域水道としてのメリットの発揮に向け、平成二十四年度までに、多摩二十五市町への事務委託を解消することを柱とする経営改善を進めておりまして、これまでに二十三市町の事務委託を順次解消してきております。

〇尾崎委員

事務事業の委託解消について、私は二〇〇五年の十二月の公営企業委員会で、事務委託の解消をするに当たって、さまざまな、いろいろな問題が出てくるのではないかということで、サービス水準の一層の向上を図っていただくようお願いをさせていただきました。
平成二十四年度にすべての事務委託を解消するまで、残りあと二市を残すのみということでありますけれども、順調にこの事務委託の解消は進んでいるのか。
またこの計画期間が、今はこれ、終わる前でありますけれども、この終わる前に今回新たな計画として多摩水道改革計画というもの、これは二〇一〇年からの計画なんですけれども、これを水道局が発表した、この経緯と、これをあわせて詳細にお伺いをしたいと思います。

〇松苗調整部長

これまでに二十三市町の事務委託を解消し、残る三鷹市及び稲城市につきましても、六月に事務委託廃止の基本協定を締結しましたことによりまして、平成二十三年度末には、事務委託は完全解消する見通しがつきました。
しかし、事務委託を解消していく中で、市町ごとに異なる検針収納や施設管理等の業務水準を改善統一化することなど、新たに取り組むべき課題が顕在化してまいりました。
また、市町域を越えた広域的な施設整備など、給水安定性向上のために、事務委託解消を契機に本格的に対応すべき課題もございます。
こうしたことから、今後五年間で可能な限り課題を解消するため、多摩水道改革計画を八月に策定したものでございます。


〇尾崎委員

新たに顕在化した課題というのは。
ちょっと具体的に教えてもらいたいのですけれども。

〇松苗調整部長

事務委託の解消の過程で、料金未納率や契約方法などの業務一元化への円滑な移行、監理団体を活用した事業運営のさらなる効率化、事務委託解消後も引き続き市町等と連携協力できる新たな関係の構築などの課題が新たに顕在化してまいりました。
多摩水道改革計画では、こうした課題等に取り組むため、十一の取り組み施策を掲げております。

〇尾崎委員

私も多摩水道改革計画をちょっと読ませていただいたのですけれども、この十一の取り組み施策の中で、地元事業者の育成と契約方法の見直しと書いてあるんですね。
地元業者は地域の事情にやっぱり精通をしておりますし、また現場に近いという利点を持っております。
特にこの水道業務に関しては、ライフラインであることから、例えば水道管が破裂事故を起こした場合などは、一刻も早い対応が求められると同時に、水道は都民の生活と都市活動に欠かせないものでありますから、万一断水等の事態が発生をした場合、迅速に対応をしていかなければならないわけであります。
この事務委託解消によって市町が行っていた水道料金徴収や水道施設の工事、また、維持補修業務なども、これは水道局に移行するわけですね。これらのこの業務の大部分は、水道局が所管する監理団体が実施をしていくこととしております。
これは私の地元の調布市と、あと三多摩では八王子市、そして三鷹市、この三市は、検針業務を、これは個々の事業者が受注をするのではなくて、地元事業者が組織して連携をつくっている管工事組合というものが、この検針業務を長い間担ってきたわけであります。今回この契約方法が都方式に見直されるということで、不安の声がかなり上がっているのが現状であります。
この多摩水道改革計画を客観的に見れば、業務を東京都に一元化をして、事業運営のさらなる効率化を図っていくとありますけれども、実際のところ、これまでこの地元事業者が担ってきた業務を、監理団体が東京都にかわって施行するというふうに見えなくもないわけであります。これをそのまま受け取ると、今後平成二十四年度以降、二十三年度末ですべての事務事業の委託が解消されるわけでありますから、平成二十四年度以降はこうした地元業者は活用をしないということなんでしょうか。
また、個々の業者は、これまで受注をしてきたこの業務を、この事務委託解消によって透明性、公平性を高めていく、こういうことを求めていくということは理解できるんですけれども、こうした管工事組合そのものが検針業務を担ってきた特殊なケースにおいては、多数の検針員を抱えておりまして、地域の検針業務を受注できないということになりますと、多数の人が職を失うこととならないのかということも考えられるわけであります。
繰り返しますけれども、こうした水道業務のような我々都民のライフラインにかかわる直接的なケースについては、これまで市町の水道事業を支えて、また、地域を熟知している地元業者を今後も活用すべきと考えますけれども、所見をお伺いいたします。

〇松苗調整部長

業務移行が完了いたします平成二十三年度末までは、原則として市町が行っていた契約方法を継続しまして地元事業者を活用してまいります。
平成二十四年度以降につきましては、都の契約方法に見直すこととなりますが、これまでの経緯等を踏まえまして、詳細については現在検討しているところでございます。

〇尾崎委員

これは是非検討をしていただきたいと思うんですけれども、二十四年度以降、こうした管工事組合が受注をできないということになりますと、今、区部の方ではいろいろと事例があるみたいなんですが、例えば検針業務を十万栓、二十万栓、三十万栓、これは世帯で栓と呼んでいるんですけれども、これを、例えば今まで地元の三多摩の方の中小企業が担ってきた場合は、二万栓、三万栓だとか、そうしたところだったら中小企業が受注できるキャパはあるんですね。だけど、そのハードルが例えば三十万栓以上でないと受注できないだとか、こうした入札に対してのハードルがちょっと高過ぎると、これは全部大手が持っていっちゃうようなことにもなりかねませんので、ぜひその辺を考慮していただいて検討をしていただきたいと、これは強く要望をするものであります。
次に、狛江市の水道局が所管する材料置き場についてお伺いをいたします。
私の地元は、さっき申し上げました調布市と狛江市というところなんですけれども、この狛江市には水道局が所有する三ヘクタールに及ぶ土地があります。
まず最初に、水道局はこの土地資産を利活用するに当たって考えがあるのか、お伺いをいたします。

〇猪熊経理部長

当局は公営企業として独立採算により事業運営を行っており、常に経済性の発揮を求められております。
利活用可能な資産については、本件地も含めまして貴重な経営資源としてとらえ、さまざまな手法を駆使し、有効活用に取り組んでおります。

〇尾崎委員

有効活用に取り組んでいるって、そういう基本的な考えは僕もわかっているんですよ。
基本的な考えはわかっているんですけれども、この水道局用地というのは都市計画変更にかかわる意見照会という形で、これは狛江市と東京都との間で最初に協議が始められたのは昭和四十六年なんですね。これ、私が生まれる前の話なんですけれども、この昭和四十六年(発言する者あり)長いんですよ。実にそれから四十年以上もの月日が経過をしているわけであります。 この間、水道局と狛江市との間で買収をするだとか、そういう話も価格面で折り合わなかったりしました。狛江市も余りお金がないので、価格面で折り合わなかったりしたのですけれども、あるいは買収ができなければ都立公園として整備をしていただきたいとか、こうした協議を何度も繰り返してきたと聞いております。
また、この平成十四年には狛江市議会からも、これは全会一致で都立公園化を求める意見書を提出しております。
この用地は、水道局の資材置き場として利用されてきましたが、平成十五年ごろ廃止をされたと聞いております。東京都は、二〇〇七年に「十年後の東京」を見据えて、財産の利活用の指針というものを発表しておりますけれども、この用地は有効活用をされているとは、私も何遍も見に行きましたけれども、とてもちょっと見えないんですよ。
まずこの狛江市からの要望も含めて、今まで何度こうした協議の場を持ってきたのか、経緯も含めて詳しくお伺いをいたします。

〇猪熊経理部長

本件地を含みます和泉多摩川緑地を将来公園化してほしいとの要望は、当局が本件地を材料置き場用地として使用していた平成七年ごろから寄せられておりました。
その後、平成十四年から平成十七年の間は、狛江市から市として買収をする意向が示されたため、買収に向けた交渉を行ってまいりました。平成十七年に、狛江市が購入を断念して以降、平成二十二年までの間に三回、狛江市から当局に対し都立公園等での活用の要望がございました。
これに対し、当局では、公営企業として収益を前提とした利活用が基本である旨、回答をしております。
本件地につきましては、平成十七年以降、利活用に向けた取り組みを進めるとともに、当局を初め、狛江市や都の他の部局の事業用地として暫定活用を図ってまいりました。
現在も当局が施行する工事に伴う発生土や資材等の置き場として利用しているところでございます。

〇尾崎委員

暫定活用の取り組みということであるのですけれども、本格的な利活用については、ちょっと時間がかかり過ぎじゃないかなと思うんです。
これは、例えば百平米くらいの土地であれば大きな問題ではないんですけれども、これは三ヘクタールに及ぶ土地ですので、狛江市民でこの土地について余り知らない人はほとんどいないのですね。これはさっき経理部長がおっしゃいましたけれども、和泉多摩川緑地という中にある、これ全部で二十ヘクタールぐらいなのですけれども、この中にある三ヘクタールの土地なんです。
これが、東京都が所有をしているというのはほとんど、市はもちろんのこと、市民も知っているんです。
これは、地元市である狛江市の売却断念から五年以上も経過して、暫定利用、暫定利用っていっていますけども、私のところにもやっぱり東京都が持っている土地だということで、市民からもかなり相談も来ますし、今後の利活用についての検討というのはどうなっているのか、ちょっとお伺いをしたいのですけれども。

〇猪熊経理部長

本件地は用途が主に低層住宅に限定されており、利活用する上で大きな制約がございます。
このため、本件地の用途規制を前提とした活用方策について調査を進めるとともに、狛江市に対しては、都市計画道路の開通に伴う用途規制の緩和について要望を行っているところでございます。

〇尾崎委員

これは公営企業として収益を前提とした利活用が基本ということで、今もご答弁があったとおり、この土地については用途が低層住宅に指定されているので、利活用する上で大きな制約があるということであります。
これは三ヘクタールに及ぶ土地で、例えば高層マンションが建つような用途地域だったら、すぐに民間業者も買うのでしょうけれども、やっぱり用途地域が制限されているから、今こうした経済状況の中でなかなか民間業者も、この土地についてはちょっと足踏みをしているんじゃないかなと思うんです。
これを、今、経済状況が非常に悪いということで、水道局がこのまま、いろんな交渉はやっているんでしょうけれども、何せ本格的な交渉に入ったのは平成七年で、意見照会があったのは四十六年ですから、これだけ長い間やっていて、果たしてこの先に明るい見通しがあるのかどうかというのはちょっと僕も非常に疑問に思うんです。
この土地に関して狛江市では、水道局用地を含めた、先ほども申し上げましたけれども、和泉多摩川緑地、これは防災拠点にしていこうという提案をしております。今、東京都では、首都直下型地震を想定して、さまざまな想定をしておりますけれども、例えば震災が起きたときに帰宅困難者の問題が発生をいたします。
都のこの地域防災計画では、東京都内から神奈川県方面に向かう帰宅困難者を対象とした帰宅支援の対象道路ですね、この対象道路は第一京浜国道、また第二京浜国道、中原街道、玉川通りの四路線となっております。
そのうちの玉川通りを利用して帰宅しようとした帰宅困難者が、この狛江市を通る世田谷通りを多摩水道橋に迂回してくることが想定をされております。
この都の地域防災計画では、狛江市を通る世田谷通りにおいては、発災後、これは二十四時間で、十万人から十五万人の通過者が想定をされております。
これに玉川通りからの迂回者が加われば、当初の想定数を大幅に超過をして、多摩水道橋に帰宅困難者が集中することになりまして、橋詰めには大量の帰宅困難者が滞留することになります。この中には、神奈川県民はちょっといるかもしれないですけれども、町田市、稲城市、多摩市などの、ほとんど東京都民が多く含まれると予想されています。
このことから、水道局用地を滞留者の一時避難場所として指定をしてもらえれば、橋詰めでの大量滞留の解消が図れることになると私は思うんですけれども、見解を伺います。

〇猪熊経理部長

当局の利活用につきましては、収益を前提として考えておりまして、お尋ねのような用途につきましては、一般行政の中で議論されるべきものと考えております。

〇尾崎委員

水道局の滞留者の一時避難(発言する者あり)いや、ちょっとあきらめたくないんですね。
一時避難場所として指定することは難しいという面もあるのは、わからないでもないんですけれども、ただ、これを含めて、地元としてはこの用地を市民のために有効活用を図っていきたいと、これは悲願なんですよ、狛江市のね。
これはデッドロックにも乗り上げているといっても、僕は過言じゃないと思います。これまで、市の交渉だとか、協議の場だとか、要望が何度も行われてきましたけれども、ここ最近は、市の要望と東京都の回答がどうも平行線の部分があって、先ほども申し上げましたけれども、ちょっとデッドロックに乗り上げている状況があります。
ただ、本件地のことについて、例えば市からこの具体的なプランが示された場合には、対応していただけるのかどうか、ちょっとお伺いいたします。

〇猪熊経理部長

本件地の取得または具体的な利活用の計画の提案があれば、収益確保を前提として意見交換をしてまいります。

〇尾崎委員

私も、もちろん狛江市の方にも働きかけをしますけれども、収益を確保としたのが前提というのはちょっと引っかかるんですけれど、ぜひ東京都にも、水道局にも、この土地に関しては気にとめていただいて、新たにプランが示された場合にはそうしたテーブルに、交渉の場にのっていただきたいということを強く要望いたしまして、私の質問といたします。
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